対話の5ステップ
正しさを決める前に、お互いの地図を知る。
心をまるにする
「心をまるにする」は、単なる準備運動やアイスブレイクではありません。対話が成立するための前提条件です。
相手を「間違っている人」「直すべき人」「変えるべき人」として対話に入るのではなく、まず、自分も相手も人そのものまではバツにしない、という土台から始めます。
心がまるになっていない時のサイン
- 相手を「どう説得しようか」と考え始めている
- 会話の前から「どうせこの人は分かってくれない」と思っている
- 相手の行動ではなく、相手の人格そのものにイライラしている
お互いの地図をシェアする
「私にはこう見えている」「あなたにはどう見えてる?」——お互いが持っている地図を、そのまま出し合います。目的は、どちらの地図が正しいかを決めることではなく、お互いに何が見えているのかを知ることです。
正しさの勝負にしない
「どちらが正しいか」を決める議論ではなく、まず見えているものを知り合う対話として進めます。
事実と解釈を分ける
「発言が0回だった」は事実。「やる気がない」は解釈。この違いに気づくことが、地図を知る最初の技術です。
地図ができた背景を知る
なぜ、その人にはそう見えているのか。経験、育った環境、立場、役割、責任、成功体験、失敗体験、得ている情報、心身の状態など、地図ができた背景を知っていきます。
これは「だから仕方ない」で終わらせるためのステップではありません。相手の見え方に対する理解の解像度を上げるためのステップです。
本当の願いを知る
表面の発言や行動のさらに奥にある、「本当は何を大切にしたいのか」「何を守りたいのか」「本当はどうありたいのか」「どんな未来を見たいのか」を知っていきます。
実現したいゴールに向かって、行動や言動をえらび直す
お互いの地図・背景・願いを知ったうえで、「では、私はどうしたい?」と考えます。相手を動かすための技術ではなく、自分自身が、実現したいゴールに向かってどんな行動や言動を選ぶかを考えるステップです。
2つの判断基準
実現したいゴールに近づくか
自分や関係する人がよりいきいきするか
対話するときに持っておきたい、5つの問い
まるまる対話の5つの問い
相手を知ろうとする5つの問い。
この5つの問いは、相手を外側から分析し「この人はきっと○○だ」と決めつけるためのものではありません。「私はまだ、この人のことを知らない」という姿勢から、対話の中で一緒に知っていくための問いです。
見え方
この人には、どう見えているんだろう?
まずは相手の「見え方」に関心を向けます。同じ出来事でも、見えている景色は人によって違います。
心の状態
今の心の状態は、どんな状態なんだろう?
怒っている、焦っている、不安、疲れている、安心している——同じ人でも、その日の心の状態によって世界の見え方が変わることがあります。診断や決めつけのための問いではありません。
地図
どんな地図を持っているんだろう?
何を大切にしている? 何を「普通」「正しい」と感じている? どんな前提を持っている?——その人に世界がどう見えているのかを知ろうとします。
地図の源泉
その地図は、どんな背景や体験からできたんだろう?
育った環境、過去の経験、成功、失敗、人間関係、誰かから言われた言葉、立場、役割など。地図には、その人なりの理由や背景があると考えます。
本当の願い
その奥にある、本当の願いはなんだろう?
認めてほしい、安心したい、大切なものを守りたい、役に立ちたい、つながっていたい——これらはあくまで例です。相手の願いとして勝手に当てはめないでください。本人すらすぐには言葉にできないこともあるため、一度聞けば答えが出るものとは考えず、問いながら一緒に探していくものとして扱います。
自分にも使える
この5つの問いは、他者理解だけのものではありません。自己理解にも使える共通のフレームです。
- 私は今、どう見えている?
- 私の心は、どんな状態?
- 私は、どんな地図を持っている?
- その地図は、どこからできた?
- 私は本当は、何を願っている?
「返事がない」に、5ステップで向き合う
家族に相談を持ちかけたら、しばらく返事がなかった。「無視された」とムッとしそうになる。
- STEP1|心をまるにする:「無視された」と決めつける前に、相手を責める気持ちを一旦置く。
- STEP2|地図をシェアする:「私には無視されたように見えた」と伝え、「あなたにはどう見えてた?」と聞いてみる。
- STEP3|背景を知る:「実はどう答えたらいいか分からなくて、考え込んでいた」という背景が見えてくる。
- STEP4|願いを知る:相手は「ちゃんと考えてから答えたい」と思っていたことが分かる。
- STEP5|えらび直す:「返事が欲しい時は、少し時間がかかっても大丈夫、と先に伝えておこう」と、自分の関わり方を選び直す。
うまく対話できない時
対話がうまく進まない時、責める必要はありません。今どこにいるのかを、少し整理してみてください。
- 心がまるになっていない(相手を直そうとしてしまっている)
- 相手を説得したくなっている
- 相手の願いを、自分が勝手に決めつけている
- そもそも、実現したいゴールがお互いの間で共有されていない
まずは体験して、確かめてみませんか?
初めて取引する企業・自治体・学校・教育機関・団体を対象に、1時間の無料プレ研修を実施しています。